
中小企業診断士試験には科目合格の制度があるみたい……。
どういう制度で自分は使えるんだろうか??
難関資格の中小企業診断士試験は、長期戦で、幅広い科目の知識が求められます。
ただし、科目合格の制度を利用することで、戦略的に合格に近づくことができます。
この記事では、実際に中小企業診断士試験に合格した私の経験も踏まえて、科目合格の制度の概要と、活用戦略をお伝えします!
この記事でわかること
中小企業診断士試験の科目合格の概要と、活用した勉強戦略が分かります。

科目合格の制度を活用すれば、複数年での合格など、合格戦略が柔軟に組み立てられます。この記事を読んで、理解しておきましょう!
はじめに:中小企業診断士の科目合格制度とは
中小企業診断士試験は、合格までに膨大な勉強時間が必要な難関資格です。
しかし、「科目合格制度」を活用すれば、一度に全科目を突破する必要がなくなり、より戦略的に合格を目指すことができます。
とはいえ、「どの科目を優先すべきか?」「最短で合格するための計画は?」と悩む方も多いでしょう。
この記事では、科目合格制度を活かした最適な勉強戦略を解説します。
計画的に学習を進め、ムダなく合格を目指したい方は、ぜひ最後までお読みください。
中小企業診断士試験の合格までの流れを知ろう
中小企業診断士試験は、1次試験(マーク式)と2次試験(記述式)に分かれています。
まずは全体の流れを把握し、どのように科目合格制度を活用できるかを理解しましょう。
試験区分 | 内容 | 科目数 | 科目合格の適用 |
---|---|---|---|
1次試験 | マーク式(7科目) | 7科目 | 科目ごとに60点以上で3年間有効 |
2次試験 | 記述式(4科目) | 4科目 | 科目合格なし(毎回全科目受験) |
1次試験の7科目は、1度にすべて合格する必要はありません。
科目合格制度を活用すれば、数年かけて合格を目指すことが可能です。
科目合格制度を活用するメリットとは?
- 1度に7科目受験する負担を軽減できる。
1次試験は7科目ありますが、すべてを一度に合格するのは非常に難しいです。
科目合格制度を使えば、年度ごとに分割して合格できるため、負担が軽減されます。 - 苦手科目に集中しやすくなる。
得意科目を先に合格させてしまえば、翌年以降は苦手科目に専念できます。
例えば、計算が苦手な人は「財務・会計」に多くの時間を割く戦略を立てられます。 - 勉強のモチベーションを維持しやすい。
「今年は3科目合格」「来年は残り4科目」といった形で段階的に進められるため、勉強のペースを無理なく維持できます。
一発合格を狙うよりも、精神的な負担を減らせる点が大きな魅力です。

特に忙しい社会人には、2か年での受験戦略も一つの選択肢になります。
こんな人に科目合格制度の活用がおすすめ!
科目合格制度は、特に以下のような人に向いています。
タイプ | おすすめポイント |
---|---|
仕事が忙しい社会人 | 1年で全科目合格を目指すのが難しいため、計画的に学習できる |
初学者・独学者 | 一度に7科目をこなすのはハードルが高いため、基礎を固めながら進められる |
計画的に合格を狙いたい人 | 数年計画で確実に合格を目指す戦略が立てられる |
ライフスタイルに合わせて学習計画を立てられるのが、最大の魅力です。
通信講座を含めて、自分にあった勉強法を選ぶにはこちらの記事!↓
中小企業診断士 科目合格制度の基本ルールを理解しよう
中小企業診断士試験の科目合格制度は、一見シンプルに見えますが、細かいルールや活用方法を知らないと、せっかくのチャンスを活かせないこともあります。
「何点以上で合格?」「有効期限は?」「免除を受けるにはどうすればいい?」など、制度の詳細をしっかり理解し、計画的に活用できるようにしましょう。
ここでは、科目合格の基準や有効期間、申請手続きのポイントを詳しく解説します。
科目合格の基準と有効期間
- 合格基準は「60点以上」(出所:中小企業庁)。
1次試験の各科目で60点以上(満点の60%)を取得すれば、その科目は「科目合格」となります。
逆に、60点未満の科目は翌年以降も受験が必要になります。 - 有効期間は「合格年度を含めて3年間」。
例えば、2024年度に「財務・会計」で科目合格した場合、2025年・2026年の試験ではこの科目を受験する必要がなくなります。
ただし、2027年度には有効期限が切れるため、再び受験する必要があります。
【科目合格の有効期間の例】
合格した年度 | 有効期間(免除される年度) | 失効する年度 |
---|---|---|
2024年 | 2025年・2026年 | 2027年 |
科目合格を申請しないと「無効」になる?
- 免除を受けるには申請が必要。
科目合格しただけでは、次回以降の試験で自動的に免除されるわけではありません。
試験申込時に「科目免除申請」をしないと、合格した科目も再受験しなければならなくなります。 - 申請方法と期限に注意。
申請は、試験の申し込み時にオンラインまたは郵送で行います。
締め切りを過ぎると免除が受けられないため、注意が必要です。
【科目免除申請の流れ】
① 1次試験の受験申込時に「科目免除」を選択
② 科目合格証明書(受験番号など)を確認し、提出
③ 受験票に免除対象の科目が反映される
科目合格の「リセット」に要注意!
- 1次試験に合格すると、それまでの科目合格は「無効」になる。
例えば、2024年に「財務・会計」と「運営管理」の2科目に合格した後、2025年に残り5科目を受験して1次試験を合格した場合、2026年に再受験することになっても、2024年の科目合格は適用されません。 - 戦略的に受験することが大切。
「今年は確実に1次試験合格を狙うのか」「リスクを分散して科目ごとに合格していくのか」を考えて、最適な受験プランを立てましょう。


一度二次試験に進むと、再度科目合格制度を活用することはできません。万全の状態で二次試験に進みましょう!
中小企業診断士 科目合格を活かした最適な勉強戦略
中小企業診断士試験の科目合格制度を活用することで、効率的に合格を目指すことが可能です。
しかし、「どの科目から勉強すべきか?」「どの順番で合格を狙うべきか?」といった疑問を持つ人も多いでしょう。
ここでは、最短合格を狙うための勉強戦略について解説します。
各科目の優先度や難易度を考慮したスケジュールを立て、無駄なく合格を目指しましょう。
どの科目から優先して勉強すべきか?
- 二次試験と関連が深い科目を優先する。
1次試験の7科目のうち、「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」の3科目は2次試験と密接に関係しています。
これらの科目を優先的に学習することで、1次試験だけでなく、2次試験の対策も効率的に進められます。 - 暗記科目は後回しでもOK。
「経営情報システム」「経営法務」「中小企業経営・政策」は暗記が中心の科目です。
これらの科目は短期間で仕上げやすいため、試験が近づいてから集中的に取り組むのも一つの方法です。 - 科目の相性を考える
「財務・会計」を先に学ぶと、「企業経営理論」や「運営管理」の理解が深まりやすくなります。
一方、「経営情報システム」と「経営法務」は独立性が高いため、単独で学習しても問題ありません。
【優先度別 科目の勉強順】
優先度 | 科目 | 理由 |
---|---|---|
★★★ | 財務・会計 | 2次試験と直結し、得点源になる |
★★★ | 企業経営理論 | 2次試験で必須の知識 |
★★☆ | 運営管理 | 1次・2次試験ともに重要 |
★★☆ | 経済学・経済政策 | 初学者にはやや難しいが、理解すれば得点しやすい |
★☆☆ | 経営情報システム | 暗記で対応しやすく、試験直前でも間に合う |
★☆☆ | 経営法務 | 法律の基礎知識があれば得点しやすい |
★☆☆ | 中小企業経営・政策 | 最新の政策が出題されるため、試験直前に集中するのが効果的 |
科目合格を活かした最適な勉強スケジュール
- 1年で合格を目指す場合
1年で全7科目を一気に合格するなら、最低でも800〜1000時間の勉強時間が必要になります。
仕事をしながら勉強する場合、1日2〜3時間の学習時間を確保しなければならないため、負担は大きくなります。 - 2年・3年計画で合格を目指す場合
科目合格制度を活用することで、無理なく試験に挑戦できます。
以下のようなスケジュールを組むと、計画的に合格が狙えます。
【2年計画の例】
年度 | 学習科目 | 目標 |
---|---|---|
1年目 | 財務・会計/企業経営理論/運営管理 | 2次試験に直結する科目を優先して合格 |
2年目 | 経済学 / 経営法務 / 経営情報システム / 中小企業経営・政策 | 暗記科目を中心に学習し、1次試験合格を目指す |


1年目で2次試験に直結する科目を合格することが良いでしょう。
2年目は、他の科目を学びつつ、2次試験に向けた準備も進めておきましょう。
勉強時間と合わせたスケジュールについての記事はこちら↓
効率的な勉強法とおすすめの教材
- 問題演習を重視する
1次試験はマーク式なので、過去問演習が最も効果的な勉強法になります。
教科書のインプットよりも、過去問を解きながら知識を定着させましょう。 - スキマ時間を活用する
通勤時間や休憩時間にスマホで講義を視聴したり、アプリで暗記を進めるのも効果的です。
特に「経営情報システム」「経営法務」「中小企業政策」などの暗記科目は、短時間の学習を積み重ねると効果が出やすいです。 - おすすめの教材を活用する
市販のテキストや問題集の中でも、科目ごとに評価の高いものを選ぶことで、効率的に学習が進められます。
おすすめ教材を紹介しています↓
科目合格制度を活用することで、計画的に合格を目指すことができます。特に「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」を優先し、戦略的に科目を選択することが重要です。
最短で合格するためには、科目の特性を理解し、無駄のない勉強スケジュールを組むことがカギになります。
中小企業診断士 科目合格を利用する際の注意点
科目合格制度は非常に便利ですが、正しく理解し、戦略的に活用しないと「思ったより不利になった」という事態になることもあります。
「どの科目を免除すべきか?」「どの科目を再受験すべきか?」「制度を活用する際の落とし穴は?」といったポイントを押さえておくことで、より有利に合格を目指せます。
ここでは、科目合格を活用する際の注意点を詳しく解説します。
どの科目を免除すべきか?どの科目を再受験すべきか?
- 得意科目はあえて再受験するのもアリ
科目合格した場合、次年度以降はその科目を受験しなくてもOKです。
しかし、「得意科目は免除せずに再受験する」という選択肢もあります。
なぜなら、1次試験は総得点(420点以上)での合格も狙えるからです。
例えば、得意な「財務・会計」を再受験すれば、70点以上の高得点を取れる可能性があり、他の苦手科目のカバーがしやすくなります。 - 苦手科目は早めに合格しておくべき
「中小企業経営・政策」や「経営法務」など、年度ごとの出題傾向が変わりやすい科目は、1度合格したら確実に免除するのがおすすめです。
毎年の難易度変動に左右されず、次年度以降の勉強負担を減らせます。 - 総合的な得点バランスを考える
「再受験するか、免除するか?」の判断基準として、各科目の得点バランスを考えることが大切です。
目標の420点を達成するために、どの科目で得点を確保し、どの科目を切り捨てるかを事前にシミュレーションしておきましょう。


特定の科目で安定して高得点を取れる場合は、あえて免除せず、受験するのも、戦略の一つになります。


科目免除の申請手続きと注意点
- 科目免除の申請を忘れると、無効になる
せっかく科目合格しても、試験申込時に「科目免除申請」をしなければ、免除が適用されません。
申請を忘れると、合格した科目も再受験しなければならなくなるため、申し込みの際は必ず確認しましょう。 - 申請方法と締め切りを確認する
- 申請方法:試験申込時に「科目免除申請」の欄にチェックを入れる
- 提出物:受験番号などの合格証明が必要
- 締め切り:受験申込期間内(例年5月〜6月頃)
- 受験票に科目免除が反映されているか確認する
申し込み後、送られてくる受験票に「免除科目」がしっかり反映されているかを確認しましょう。
万が一、反映されていない場合は、試験実施機関へ問い合わせが必要です。


1次試験合格時の「科目合格リセット」ルールを理解する
- 1次試験に合格すると、それまでの科目合格はすべて無効になる
例えば、2024年に「財務・会計」と「企業経営理論」で科目合格した後、2025年に残りの5科目を受験し、1次試験に合格した場合、仮に2026年に再受験することになった場合でも、2024年に取得した科目合格はリセットされ、すべての科目を受験する必要があります。 - 計画的な受験戦略が必要
1次試験にギリギリで合格しても、翌年の2次試験に落ちると、また1次試験からやり直しになります。
そのため、「確実に1次試験を突破するのか」「リスクを分散して科目ごとに合格していくのか」を慎重に考えて受験戦略を立てる必要があります。 - 2次試験を見据えて科目合格を活用する
「企業経営理論」「財務・会計」「運営管理」は2次試験と密接に関わるため、
1次試験で高得点を取れるように学習しておくと、2次試験の対策がスムーズになります。
科目合格制度を活用する際は、免除する科目の選び方や、リセットルールの理解が重要です。
特に、「得意科目は再受験して高得点を狙う」「苦手科目は確実に免除する」「申請手続きを忘れない」といったポイントを押さえておきましょう。
科目合格制度を正しく活用することで、合格への道がグッと近づきます!


2次試験に進んだら、確実に合格できるだけの準備を科目免除を使いながら効率的に進めましょう!
まとめ:科目合格制度を活用して、最短で合格を目指そう!
中小企業診断士試験は7科目もあるため、一度にすべてを合格するのは大変です。
しかし、科目合格制度を活用すれば、計画的に学習を進め、無理なく合格を目指すことができます。
ここまでの内容を振り返りながら、最適な合格戦略を整理していきましょう。
科目合格制度のポイントをおさらい
まずは、科目合格制度の基本的な仕組みを確認しておきましょう。
項目 | 内容 |
---|---|
合格基準 | 各科目60点以上で「科目合格」 |
有効期間 | 合格年度を含め3年間有効 |
申請の必要性 | 免除を受けるには試験申込時に申請が必要 |
リセットルール | 1次試験合格時に過去の科目合格は無効になる |
この制度をうまく活用すれば、負担を減らしながら合格を狙うことができます。
科目合格を活かす最適な戦略
- 優先すべき科目を決める
「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」は、2次試験とも関係が深いため、優先的に学習するのがおすすめです。
暗記科目の「経営情報システム」「経営法務」「中小企業経営・政策」は、短期間の集中学習でも対応できます。 - 合格までのスケジュールを決める
1年で合格を狙うなら、1日2〜3時間の学習時間を確保する必要があります。
一方で、2年・3年計画を立てれば、無理なく勉強を続けやすくなります。 - 得意科目は再受験も検討する
1次試験は「総得点(420点以上)」での合格も可能です。
得意科目で高得点を狙える場合は、あえて再受験して、他の苦手科目のカバーをするのも一つの戦略です。
科目合格制度を最大限に活用するためのポイント
- 試験申し込み時に「科目免除申請」を忘れない
→ 申請をしないと、合格した科目も再受験しなければならなくなるため注意! - 苦手科目は早めに対策する
→ 「経営法務」「中小企業経営・政策」などは年度ごとに難易度が変動するため、合格したら確実に免除するのがおすすめ。 - 1次試験合格時の「科目合格リセット」に注意する
→ 2次試験の準備が不十分な場合は、1次試験合格を狙うより、計画的に科目合格を積み重ねるのも有効。


さらに、自分の得意・苦手科目を理解した上での、得点戦略/受験戦略を作り上げていきましょう!
最後に:あなたに合った学習計画を立てよう!
中小企業診断士試験の科目合格制度は、受験者にとって大きなメリットがあります。
ただし、どの科目を優先するか、何年計画で合格を狙うか、しっかり戦略を立てることが重要です。
「1年で一発合格を狙うのか?」「2年・3年計画で確実に合格するのか?」
あなたのライフスタイルに合わせて、最適な受験プランを組み立てましょう!
よくある質問とその回答
科目合格の有効期限内であれば再受験の必要はありません。
ただし、試験範囲が大幅に改訂されると、2次試験の準備に影響が出る可能性があります。
免除科目の知識が古くならないように、変更点をチェックし、必要に応じて新しい内容を学習することが望ましいでしょう。
科目合格は、1次試験で60点以上を取得した科目が3年間有効となる制度です。
一方で、科目免除は公認会計士や弁護士など特定の資格を持っている場合に適用され、受験することなくその科目を免除されます。
最大のデメリットは、1次試験を合格した時点でそれまでの科目合格がリセットされることです。
さらに、1次試験に合格しても2次試験に不合格になった場合、再度1次試験を受験する可能性があるため、長期的な視点で計画を立てることが求められます。
いいえ、2次試験に落ちた場合、翌年の1次試験を受験し直す必要があります。
1次試験の合格は2年間のみ有効ですが、科目合格は1次試験合格と同時にリセットされるため、以前に取得した科目合格を再利用することはできません。
最後に
- 中小企業診断士試験の科目合格制度は、1次試験の各科目で60点以上を取得すると3年間有効となり、次回以降の試験でその科目を免除できる便利な制度である。
- 科目合格を活用することで、一度に7科目を受験する負担を軽減できるだけでなく、得意科目を再受験することで総得点を引き上げる戦略も可能になる。
- 1次試験に合格すると、それまでの科目合格はリセットされるため、2次試験のスケジュールも考慮しながら、長期的な学習計画を立てることが重要である。
- 受験申込時に「科目免除申請」をしないと、合格した科目も再受験しなければならなくなるため、申請手続きと期限の確認を忘れないようにすることが大切である。
- 「財務・会計」「企業経営理論」「運営管理」は2次試験とも関係が深いため、優先的に学習し、暗記科目は短期間で仕上げるなど、計画的な勉強戦略を立てることが合格への鍵となる。